しかも“もっと”って言ったよね?
「む、無理……」
「いいから早くしろ」
無理だって言っているのに、村田は急かしてくる。
これ以上何を言っても無駄だと思い、少し身体を起こして距離を縮めてみれば…
腕を掴んで引っ張られ、バランスを崩した私を抱きしめる村田。
こういうことにならない、とは思っていなかった私。
これじゃあ何も言えない。
そのままお互い口を開くことなく、その状態でいた。
やっぱり落ち着く。
温かい。
そして、泣きそうにもなる。
ぎゅっと背中にまわされた手をずっと離してほしくなくて、このままでいたいなんて思ってしまう。



