お前を笑顔にしたいだけ





ーーー「体調、悪いのか?」



その日のお昼休み。



私と村田はいつものように屋上でご飯を食べていた。



もう二ヶ月以上お昼は村田と過ごしているから不思議だ。



そんな村田がどこか心配そうにみえなくもない表情で、じっと私を見つめてきた。



最近、村田は真面目に学校に来ていて喧嘩とかもしていないらしい。



先生も喜んでるって汐が言ってたな。



表情も柔らかくなった気がする。



「ううん、別に。
夏バテかな」



適当にはぐらかす私だけど、村田には通用しない。



「この気温で夏バテとか早過ぎだろ」
「んー、じゃあなんでだろ?」



寝不足だって言ったら理由を聞かれるに決まってる。



だからバレないように話す。



「何でって……最近ずっと元気ねぇけどな、お前。顔色悪いし」



「えー、本当?」



寝不足が原因なんだろうけど、わざと元気なフリをして笑ってみせる。