お前を笑顔にしたいだけ





聞きたくない。
聞いたらダメな気がする。



けど声も出ないし動けない。





「晴樹はね、事故に遭って……




もう、手遅れだって。




このままね……弱っていっていつ死ぬかわからない状態だって。




もう目は覚まさないんだって…」




紗江さんはそう言いかけた途中で目から涙があふれ、私を濡れた瞳で見つめる。




「……や、やめて…!


そんなこと言わないでよ、嫌だよ晴樹は死なないんだから…!!」




嫌だ、信じたくない。



事故?手遅れ?
弱っていっていつ死ぬかわからない…?



晴樹は死なないよ、諦めないでよ。



「あ……ああっ……」
「里穂ちゃん、ごめん…ごめんね……」



違う、謝ってほしいわけじゃない。