だからといってお互い深入りはしてないし、晴樹のこと話すつもりもない。
弱いところを見せたら迷惑をかけてしまうし、抑えてる感情が全て出てしまいそうで怖かった。
「また、寝れない……」
ぽつりと吐いたこの言葉は暗闇の中へと消えていく。
しーんとした静かな空間の中、一人。
ひとりぼっちで、誰もいないんじゃないか。
そんな感覚にさえ襲われてしまう。
余裕が、ない。
会いたい。会いたいよ晴樹。
あんな終わり方、嫌だよ。
もう高校二年だというのに、全然忘れられない。
この気持ちも、全部。
ぎゅっと目を瞑れば、また涙は溢れてくる。
後何回、何十回、何百回泣いたらこの気持ちは忘れられるのかな。
前に進めるのかな。
二年になって前に進めたと思っていた。
でも違うかったんだ。
私が私でいられたのは、たった一人、村田の前でだけで……。



