そんな中、外でこういうのんびりとした時間は貴重だった。



幸せで、胸がドキドキ高鳴ってうるさくて。



幼なじみから好きな人へ変わっただけで、こんなにも感情の変化があるんだって思った。



『……里穂』



まだ声変わりをしていないる声で、私の名前を呼ぶ晴樹。



でも言い方が静かで、やけに耳に残る。



『どうしたの?』



ちらっと晴樹を見れば、いつになく真剣な表情をしていた。



重大た話だろうと感づき、途端に不安になって泣きそうになる。



『里穂は、俺と幼なじみっていうの、どう思ってる?』



嬉しいよ。
だって誰よりも近くにいられるから。



なんて言えなかったのは、拒絶されると思ったから。



幼なじみやめようって、言われると思ったから。



だから何も言えなくて、口を閉ざしてしまう私。