どこか不安の残る回答で。



村田自身も不思議そうな顔をしているように見えるのは気のせいだろうか。



「そう、だよね……」



きっと、覚えてないだけで私が言ったんだよね?



今はそう、無理矢理理解することにした。



そして村田と並んで歩く。
その途中に自然に手を握られた。



一瞬反応したけど、離そうと思わなかった私はそのままにしていた。



つながれた手が温かくて、またドキドキと鼓動が速くなる。



この短期間でどうしてこうも心情の変化があったのか、自分でも知りたいぐらいだ。



手はつながれたまま、しばらく歩いていると家が見えてきた。



なんだか複雑な気持ちになったけど、その思いをかき消して村田を見る。



「村田、送ってくれてありがとう」



お礼を言ったのにもかかわらず、村田は呆然としたように何故か私の家をじっと見つめていた。