そっちに視線を向けると、そこから入ってきた人物は…… 「え……? どうして、里穂(りほ)ちゃんが……」 大きく目を見開き、私を見て固まる彼のお母さんの紗江(さえ)さんだった。 「紗江さん、どういうこと…? 晴樹に何があったの? あのね、紗江さ…」 紗江さんの元に行こうとしたけど、足に力が入らなくてその場に崩れ落ちる。 「里穂ちゃん……!」 そんな私を見て、慌てて駆け寄ってくれる紗江さん。 心配そうに私を見つめる。