お前を笑顔にしたいだけ





そっちに視線を向けると、そこから入ってきた人物は……



「え……?
どうして、里穂(りほ)ちゃんが……」



大きく目を見開き、私を見て固まる彼のお母さんの紗江(さえ)さんだった。



「紗江さん、どういうこと…?
晴樹に何があったの?


あのね、紗江さ…」



紗江さんの元に行こうとしたけど、足に力が入らなくてその場に崩れ落ちる。



「里穂ちゃん……!」



そんな私を見て、慌てて駆け寄ってくれる紗江さん。



心配そうに私を見つめる。