でも私の言うことなんでも聞くって言ったのは羽沙弥だもんっ!
私だってゆずらない!
「……あれな。
嬉しかったけど、恥ずかしかったんだよ」
私を真っ直ぐみて話す。
「うれ…恥ず……??」
「だってオレが笑ってて嬉しいってことはオレを見ててくれたってことだろ?
嬉しかったけど、ンなこと言われて恥ずかしかったんだよ!」
そう言ってる羽沙弥の顔はまた赤くなる。
そっか。
顔が赤かったのは怒ってたんじゃなくて、
照れてたんだ。
「羽沙弥可愛い」
思わず口をついて出た私の言葉に、
ぶっすーとした顔を見せたと思えば
「オレは可愛くない。
ありすのが可愛いよ」
なんてセリフ言っちゃって。
私に可愛いって言われてた羽沙弥は、
時計ウサギみたいで可愛いかったけど。
私に可愛いって言った羽沙弥は、
私の頬を真っ赤にするくらい、
王子様みたいでカッコよかったんだ。