神様には成れない。



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ここ数週間でこんなに走った記憶などない。

淵くんも以前走ってきたようだったが、こんな気持ちだったのかと思いを馳せる。

到底同じ気持ちにはなれないけれど、待たせてしまっていることへの焦燥と、帰ってしまっていたらどうしようとの心配でごちゃ混ぜになっている今と近いかもしれない。

そう思えば心地いいものではなく、尚更急いで公園へとまた舞い戻った。

ガサガサと手元からはビニール袋の音が聞こえてくる。


「おっ、おまたせ……っ!」

「いや、おまたせ。は別にいいんだけど、瀬戸さん急にどっか行っちゃうからびっくりしたんだけど」


彼の抗議など聞きもせず、息を整えながら腕時計を見ると0時を回ったところだった。

一日が終わり、新しい一日が始まる時間だ。

私は今一度深く息を吐き出し、息を吸い込むと同時に彼の名を呼んだ。


「淵くん!」

「えっ、何……?急に大きな声出して。どうし……」

「お誕生日、おめでとう!」

「はっ?」