神様には成れない。



どうでもいい会話で笑い、楽しそうに目を細める。それがいつもの情景。


「はー……笑った。少なくとも瀬戸さんをゴミだとは思ってないよ」

「自分で言っておいて何だけど、ゴミだと思われてたらちょっと悲しかった」

「あ、ちょっとなんだ」

「そんなに淵くんの事を知ってるわけじゃないから傷は浅い……かな」

「へぇ。そかそか」


含みのある笑みを見せて、彼もまた手に持っていたままの缶ジュースに口をつけた。

喉が上下に動き、一呼吸置いてまた静かに口が開かれる。


「多分、瀬戸さんが思ってるだろうことは間違ってないと思うよ」

「……とは?」

「あれ、俺に言わせるんだ?まぁ、いいけど。俺はね、瀬戸さんの事を恋愛感情を持って本当に好きかって言えばよく分からないんだよ。口ではいくらでもいえるんだけど」


あんな告白をしておきながら最低な発言を平気な顔をして放つ。

私が知らない一面が垣間見える。それは見せようとはしなかった彼の裏側の部分なのだろう。


「それが、瀬戸さんが思うところでしょ?好きなのか。興味すらないんじゃないか。そんな話」


冷たいように聞こえる言葉なのに、何故だか言っていることは純粋に聞こえた。

どうしてか?答えは簡単だ、いつも通りの表情でそこに彼がいたからだ。