神様には成れない。



曇りなく真っ直ぐと見つめられて気恥ずかしくなり、視線を逸らしてしまう。


「そ、それはさっき聞いたよ……?」


そんな可愛げのないことを言いながら、ドキドキと心臓が高鳴って止まない。彼が一挙一動見せる度にドクドクと脈打つ。


「前提なんて無くても大丈夫だって思ったけどやっぱり、大丈夫じゃない」

「えっ?!」


ハッキリと覆される彼自身の言葉。思わず動揺してしまい、また私に何ができるだろう。などと考える。

しかし、そんな考えは必要なかった。

彼は満面の笑みを私に向けたのだ。


「そうやって、夢みたいな事話してくれる姿が好きだって思った」

「っ〜〜」


ただ、ただ純粋に気持ちをくれる。

胸の苦しさに後退りしたいような思いになるが、それを見越したように彼はまた少し私に身を寄せる。


「死んだら迎えに来てなんてそんな女々しい事言わない。俺がきっと瀬戸さんを迎えに行くよ」

「……あ、あれ?」


そんな宣言に照れていいのか、それは振り出しに戻っているのでは無いのかと困惑してしまう。

きっと変な表情をしていただろう。


「だから…….」


そう、変な表情をしていたに違いない。


「だから、俺と結婚を前提に付き合って」