黒い瞳が此方を見つめる程、涙が溢れて枯れた草に雫を落とす。
「ご、ごめんなさい……!意地はって、嫌なこと言って……」
「うん」
「わっ、別れる覚悟してたけど、別れたいわけじゃなかったの……!」
「うん」
「ただ、でも、淵くんの好きな私でいれないから、だから、それも仕方ないって思ったの」
詰まる言葉に優しく相槌を打ち、みっともない顔をしている私に彼は微笑む。
その笑みにホッとする。
「……他には?言いたいこと言って?」
離れないと主張するように強く繋がれた手が愛おしい。
私だって彼と同じだ。
「……淵七斗くん。もう一度私と付き合ってください」
私だって彼との未来を見ていたい。

