なんて。

簡単に反応をコントロール出来たのなら、私だってもっと余裕を持てているに違いない。


「なっ、な……っ!」


感情なんて行動なんて言葉よりも正直だ。

容易く体温を上昇させ、脈拍を上げてしまう。今日の短時間で何度目の事だろうか。忙しない。


「あ、そうそう。朝ごはん。食べようと思って瀬戸さんを呼びに来たんだった」


対する彼は至って平静に、自室に来た理由を今更ながらに告げる。


「それとも起きたばっかだし、先に風呂入っとく?好きに使っていいよ」

「う、うん。そうだね」


投げかけられた言葉を噛み砕かないままに、返事もそこそこに返せば、彼は一度コクリと頷いてベッドから身を下した。

ぼーっと彼が自室を後にするのを見送るのみで、頭は先までの事を反芻する。


「っ、っ~~!」


また一人で身悶えするだけで、


「いてっ」


ゴスっと彼がドアにぶつかる音がしても、私はとてもその事を気にする余裕もなかったのだった。