まさに言葉の通りなのだが、改めて口にされるのはやはり心臓にくるものがある。
不意打ち過ぎるのだ。
どんな顔をしていいのか分からずに、心臓だけを早く打ち続けていると彼女は声を上げた。
「ふっ、あははっ!ほんっと変わった人ですね!」
「え?え?」
妙に既視感のある笑い方に言葉。
それだけではなく、今まで見せる事のなかった満面の笑顔。しかし自然なそれはやはり元々の彼女はこうだったと思わせるものだった。
「私だってこんなブラコンみたいな事言うの嫌なのに、貴女が照れてちゃ形無しですよ」
「う……、そ、そう、だよね」
彼女は噛み殺すようにまた笑いを零して私に向き直った。
「兄に寄ってくるような女は頭がお花畑のクソ女ばかりだと思ってました。妹としての結論は保留にしますが、私個人としては好ましく思います」
「くそ……!?」
可愛らしい容姿から辛辣な言葉が飛び出て驚いてしまう。
「ああ、すみません。間違えました。こんな言葉使うと兄に怒られてしまうので、内緒にしてくださいね?」
ニッコリと笑う表情は花が咲いた様に可憐なのに、どこか悪戯めいている。

