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次の予定は六月に入ってすぐの土曜日。行き先は最近出来た複合施設。
出来た当初に友達と行く予定だったのだが、一度流れてから行くことが出来なかった場所なだけに、彼の提案に対して食い気味に賛同してしまった。
と、さらっと決まったのはいいのだが、私の本題は別にあったのだ。
さっきの機会に逃げてしまったのだから、いい加減に向き合わなけれなならないだろう。
今日が終わってしまう前に、この問題を終わらせなければいけない。
言うタイミングを伺って淵くんを見遣れば、丁度ゆるりと立ち上がった瞬間だった。
「ちょっとシャル部屋に入れてくるから待っててね」
そう私に告げて自身の膝の上で丸くなっていたシャルロットを抱きかかえて部屋を出ていく彼。
私はそれに生返事をしつつ、鞄の中から携帯を取り出してテーブルに置く。
この中に渡してと頼まれた連絡先が入っている。結局此処まで遠回りしてしまっていた。
「戻ってきたら、言う……!」
独りでボソッと呟きながら意気込む。
扉を閉める音が聞こえたかと思えば、シャルロットを触った為に手でも洗っているのか水が流れる音が聞こえてきた。
短い時間の出来事である筈なのに、長く感じるのは私がこの事を大きな問題と捉えてしまっている証拠だろう。
パタン。と、近くで扉が閉まる音がした。
彼が戻ってきたのだ。
「あの……っ!」
言わなければ。

