「えっと、そうだね……じゃあ、お互い都合のいい日とか。学校終わりとかでも大丈夫?」

「うん、俺は全然」


聞きながら目で自分のシフトラインと彼のラインを交互に見遣る。彼が週2、3くらいのペースでしか入っていない分、合わせやすいと思ったのだが、如何せん被らないようにされているのでこれまた合わせ辛くなってる。

私は頭の中で自分の予定表を開きながら、出来るだけ近日と考える。

明日、明後日、今週末。と一日ずつ確認して、ただ、視界の端の彼と同じようなペースで歩く。


「あ、待って待って瀬戸さん、そこ段差」

「ふ、わっ!?」


ぐっと腕を引かれてその力のまま一歩下がる。

見れば歩道の終わりで一段下がっているのだ。人にぶつからないようにとは気にしていたのだが足元まではシフト表を見るのに夢中で気が付かなかった。


「あ、ありがとう」


危うくまた転んでしまう所だったと、驚きに動悸を感じながら見上げれば困ったように笑う彼。


「何か今日瀬戸さん変だね」

「そっ、うかな?」


そんな事ない。と言えないのは、自分だっていつも通りではない事を知っているからだ。

どうも私は自分が思うよりも動揺しやすいようだ。

頭の中ではさっきの女子高生達がチラついて離れてくれなかった。