神様には成れない。



彼は私の問いに、考え声を上げて言葉を探しているようだった。


「どんな子って言われても難しいな……」

「なら、仲はいい?」


問い方を変えてみればパッと返答が返ってくる。


「うん。何だかんだ今は仲いいよ。最近になって間がある時に時々は顔見に家に帰ってるし」

「いいお兄ちゃんだね」

「さーー、どうだろ。あっちはあっちで俺いなくて自由にしてるだろうし」


なんて、妹の気持ちに対してはぶっきらぼうに言いながらも彼自身は大事に想っているような雰囲気が読み取れる。

口にしたくない事はなるべく話題には上らせないもので、それは例え家族だろうと同じ事だろう。


「私、一人っ子だから兄妹居るの少し羨ましい」

「へぇ。瀬戸さん弟とか居そうだと思ってたけど意外」

「そうかな」


そう言うのなら彼に妹が居る事も私としては意外だった。

一人っ子の様なイメージがあるだけで何故と言う理由もないのだけれど。


「でも、それならよく一人暮らし出来たね?」

「?」


意図を掴みかねて暫し停止する。

生活力についての話を言っているのだろうかと思うが


「あ、悪い意味じゃなくて、一人っ子の子って親的に家にいて欲しいとか特に思うんじゃないかなぁって言う偏見なんだけど」


どうやら両親の話をしているらしく、納得に頷きを返す。


「ほら、瀬戸さん家なんかは誕生日にきちんとお祝いするような家みたいだし。ちょっとお嬢様っぽい所あるよね」

「お嬢様……?」


言葉の選択を不思議に思いながらも、言いたい所は箱入りのようなイメージと言う事だろうかと勝手に推測する。