「また来宮さんとは違ったタイプの友達だね」
「そうだね、京ちゃんとは全然違うかも」
彼が私の友達を知っているのは京ちゃん位なので、比較対象として持ち出される。
確かに莉子ちゃんは明るく快活な誰とでも打ち解けれるような人で、京ちゃんは男の子にハッキリと口にするけれど打ち解けるには難しい。
そう言えば、莉子ちゃんらしくなくきちんと挨拶をしなかったなと思いだす。
勘ぐる私も変なのだが、考えれば今日の彼女は何だか少し変な気がした。
「!」
不意にカカッと足元から不規則な音が鳴りぐらつく。
「……ああ、今日は何か変だと思ったらそのせいか」
その音を聞いた彼は歩くのを止めて私の足元を見遣る。
歩みの遅さには気づいていても、その理由に気づいてはいなかったようだ。
「こ、こういう靴、履きなれてなくて……」
それは二つ目の違いで『いいからいいから』と京ちゃんに履かされた踵の高い靴だった。
案の定こういった靴をあまり履かない私が、普段通りに歩くのは難しかった。それでもそれ一つ履きこなせないなんて知られる事は私としては恥ずかしく、俯いた。
「はい」
声と共に、俯いた視界の中に現れる手。
また私は顔を上げた。

