神様には成れない。




「そうだ。瀬戸さん、これから時間ある?」

「えっ!わた……う、うん?あるよ」

「?ほんとに?」

「……本当だよ」


まさか、私が言おうとしていた事を先に言われるなんて思っていなかった為に、変な返答をしてしまうのも致し方ない事だ。

用意していた言葉を飲み込み、もう一度コクリと頷いて見せた。


「そう。それなら、今からご飯食べに行かない?この間のお礼も兼ねて」


此処まで言いたい事が一緒では逆に困ってしまうのだが、私としては別の事でも困ってしまう。


「お礼したいのは私の方なんだけど……泊まらせてもらってるし」


一宿一飯の恩義と言うわけでもないが、やはりそれなりにお礼はしておきたい。

先に言われてしまったこの提案を考えていた私は、彼と一緒にいたいと言う少しばかりの邪念があったけれど。

しかし、私の言葉に彼は首を横に振った。


「ううん。それも含めて誕生日祝ってくれたの嬉しかったから、俺にお礼させてよ」


屈託もない笑顔で真っ直ぐ言われれば、私は頷く他無くなったのだった。