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甘いケーキと甘いカフェオレをお腹に収め、何気なく部屋に掛けられているシンプルな時計を見れば時刻は深夜1時を回りきったところだった。
カチリ、とまた長針が一つ時を刻む。
「しゅっ、終電!!」
ガタガタと慌ただしく立ち上がってしまう。下の階の人に響くとかそんな事考える余裕もない。
しかし、今更立ち上がった所で既に電車など無い事は分かっていた。
「終電って……瀬戸さん帰るつもりだった?気にせず泊まっていけばいいよ」
彼も彼で何とも思わないのか、あっけらかんと言ってのける。
その様子を見て落ち着けるはずもなく、かと言って取り乱す事もなく私は鞄を手に持ったまま立ち尽くしていた。
彼はシャルロットを撫でながらポツリと言葉を溢す。
「まあ、気にするなって方が無理だよね。女の子だもんね」
また大多数に分類しながらも、今度は限りなく私に寄り添ってくれている。
意識してしまう事を配慮してくれているのだ。
それにまた引き止められるような思いを感じて、無意識にその場に座り直していた。
「淵くんはそう言うの、気にしないの?」

