蒲野は説いた。

「悔い改めを神に対して向かってすることこそ、大事です」

蒲野は、田舎道で説いた。

相手の農夫は、鍬を逆さに立てて、ほっかむりをして、聞いた。

「あなたのものを私は盗んでおりました。この自分の体はあなたのものでした。私は自分のもののようにしておりました。申し訳ありませんと。お許しください。お返しいたしますと。そう私たちはね、神様に報告せねばならんのですよ。人に親切にするとかよりもっと前の話で、私たちはまず神様に喜んでもらうのが先なんです。これが○○教の教えなんです。○○教の教祖の最後の大切なメッセージなんですね」

第二話おわり