「パパ、ただいま。」

肉の塊にはなるべく触れないでおきたい。

「ななちゃんおかえり、おにーちゃんにはただいまはないのかい?」

ダイニングテーブルに肘をつき、ニタニタと薄笑いを浮かべる男。

こいつこそ、私たち家族を崩壊させた本人、佐々木 彼方。

私の実の兄である。