廊下を1歩進むごとに、むせるようなねっとりとした血の匂いが濃くなっていく。

初めの頃はよくトイレに駆け込んで吐いていたが、もう慣れてしまった。

リビングに入ると、ブルーシートが敷いてあり、その上には肉の塊と大きなハンマーを持った血塗れの父がいた。

「おかえり、ナナ。すまないな、ご飯はこれからなんだ。」

瞳にほんの少しの狂気をまといながらも優しく私に話しかける父。