ほとんど初対面の人なのに、おしゃべりをしすぎてしまった。料理をさっさと食べて、早く会社に戻らなければ。
そう思っていたのに、デザートとともに運ばれてきたものに、私は唖然とする。
「二十五歳おめでとう、真珠」
渡されたのは花束だった。カスミソウとともに丁寧にラッピングされた、真っ赤な薔薇が、二十五本。
ちくりと胸の奥が刺激される。自室のチェストの上、ジュエリーボックスのベルベットで眠っている真珠たちが、ちらりと脳裏をよぎる。
声が震えそうになるのをどうにかこらえて、私は冷ややかに社長を見た。
「ありがとうございます。……新しい社長は、部下の誕生日にわざわざ薔薇をくださるんですね」

