それが伯父の差し金だったことを、当時の私は知らなかった。仲の良かった子が突然姿を消してしまったことに、ただただ胸を痛めていた。
そんなふうに、伯父は知らないあいだに、私の周囲にたくさんちりばめられていた様々な可能性を、ひとつずつ摘み取っていたのに。
「なるほどね」
私をまっすぐ見据えていた彼は、少しも表情を変えなかった。
笑ってもいないし、怒ってもいないし、憐れんでいる様子もない。眉も目も唇も、顔の中にただそのままあるだけで、どんな感情を抱いているのか量るためのきっかけすら与えない。
仔羊のローストにナイフを入れながら、彼はつぶやく。
「真珠は、外の世界を知らないってことか」

