もしここから飛んだら、羽根のない私も、一瞬くらい空を駆けることができるだろうか。
「いいえ、父も母もなにも言いません。むしろ彼らは私に自由に生きてほしいと思っているみたいです。でも、伯父がそれを許さない」
なぜ私の身の上話をしなければならないのだろうと反発を覚えるのに、鷹野社長に見つめられると、話さずにはいられなかった。真っ黒の静かな瞳を向けられると、まるで最初から聞いてほしかったみたいに、言葉はするすると出ていく。
「小さい頃からそうでしたから。私は伯父が連れてきた子とだけ、遊ぶことができたんです。伯父に内緒でこっそり仲良くなった近所の女の子は、いつのまにかどこかに引っ越してしまいました」

