感情を織り交ぜない声で答えると、凛々しい眉が怪訝そうに眉間に寄った。
「私が仲良くする人は、決められてるんです。それ以外の人と交流しても、結局関係を絶たれてしまうから」
「誰に? 父親か」
私は柔和な笑みを浮かべる父を思い出した。同じ祖父母から生を受けたとは思えないほど伯父と似ているところのない、穏やかで優しい父。
「明生党、党首、白鳥真治」
皿が片づけられるのを待ってから、鷹野社長は父の社会における立場を口にした。私はうなずくことも首を振ることもせず、窓の外に目を向ける。
真っ青に抜ける空と、東京のビル群が描く地平線。まるで自分が天空の塔に立っているような錯覚をおぼえる景色だ。

