「人と親しくなるのを避けている様子だと聞いている」
核心をつくようなことを言われて、頬が熱くなる。戸上さんが報告したのだろうか。
ぴんと伸びた背筋はうつくしく、フォークとナイフを優雅な手つきで扱いながら、彼はちらりとこちらを見る。
「なぜだ?」
「それは……」
私は目線を上げて社長の視線を受けた。
まっすぐ注がれる黒い瞳は、強い光を湛えていて相手を飲みこもうとする。一度合うとなかなか逸らせない彼の目に、魔法をかけられたみたいに、言葉がするりと落ちた。
「虚しいからです」
「虚しい?」
「仲良くなっても、なかったことにされてしまうから」

