この状況はいったい何?
ほとんど面識のない男性とテーブルに向き合って座っている時点で現実的ではないのに、その相手は自分の会社の社長なのだ。
てっきり昼食の時間を兼ねてプロジェクトの話をするのだと思っていたのに、肝心の仕事の話は車の中で済ませてしまって、この場所に来てからはほとんど会話がない。
しかも、私の誕生日だから敢えてここを予約したような口ぶりだった。
まさか、私が白鳥の娘だということが関係しているのだろうか。
考えあぐねていると、料理が運ばれてきた。
「人付き合いをしないらしいな」
重厚感のある白い器に盛られたスープにスプーンを落としていると、鷹野社長が静かに口を開いた。

