嬉しさを爆発させるように尾を振り回すかわいい愛犬の首をなでていると、リビングの真ん中からお腹に響くような重低音が聞こえた。
「真珠、待っていたぞ」
ソファにゆったりと座った伯父が、しわの刻まれた顔をほころばせて手を上げる。
齢七十を数えながらホワイトグループのトップに今なお君臨し、白鳥家のすべてを取り仕切っている父の兄、白鳥宗一。
眉をひそめそうになるのをこらえながら、どうにか言葉を返した。
「こんばんは、伯父さま。いらしてたんですか」
「ああ。今日はお前に会わせたい人間がいてね」
穏やかそうに笑いながらも目の鋭さを失わない伯父と、その斜め前に座っている人物から視線を逸らし、さっとあたりを見回す。

