事実、その髪はおよそ日本人とは思えない不自然な色だけど、波瑠にはよく似合っている。 「そういえば、今日は新しい社長が就任されたんですよね」 私と波瑠のやりとりを見て苦笑しながら、黒田さんが言った。 「どんなお方でしたか」 「そうね……」 私は左の手首に目を落とす。 五粒のパールが等間隔にあしらわれたブレスレットは、薄暗い車内でも美しさを損なわない。自分の名前の元になった宝石を目の高さまで持ち上げて、指先でそっとなぞった。 「とても傲慢な感じの、いやな男だった……」