迅の言葉に、彼女はきょとんとした顔になる。しばらく間を置いてから、真珠は小さな頭を横に振った。
「いいんです。私のこれからの仕事は、外で頑張ってるあなたに、安心して過ごしてもらうことですから」
ふわりと微笑む彼女の言葉が、あまりにも思いがけなくて、迅は言葉を失った。
「真珠……」
「戸上さんには負けません……」
どことなく硬い笑顔になった彼女に、にこりともしない七三分けの冷徹な秘書が思い出された。
「なぜ戸上……?」
「あなたと一緒になれるなんて、夢みたいに幸せです」
喜びをあふれさせるような顔で、彼女が微笑む。
瞬殺だった。
激しい爆破音とともに、迅のなかでぎりぎりつながっていた理性が完全に吹っ飛んだ。
本能のままに真珠をソファに組み敷いて、彼は心の底から思う。
愛よりもさらに深いこの想いは、なんと呼べばいいのだろうか。
気が触れそうなほどの感情を吐息に混ぜて、愛しい真珠にそっと囁いた。
――I'm crazy about you.
番外編
クレイジーに溺愛婚約者
✿完結✿

