「迅の手……冷たい」
涙目で見上げられるだけで理性が崩壊しそうになる。めちゃくちゃにしたい衝動をどうにか抑えて、迅は低くつぶやいた。
「……わかった」
なるべく肌に触れないようにニットを脱がせ、身に着けているものをすべてはぎ取り、手を使う代わりに舌でなぞった。手で触るより温かいはずなのに、細い体はやっぱり跳ねる。
「真珠、可愛いよ」
「や……」
押しのけるように伸ばされた手を取り、指にもキスを落とす。
「……好きだ、真珠」
自分の声や動きに反応する姿が愛しくて仕方がなかった。彼女に自身を押し込みながら迅は思う。
無垢な婚約者に、映画みたいな壮大な恋愛感情を抱いてもらうつもりで、その実、大きな愛に絡めとられたのは、自分の方なのかもしれない――

