最初は戸惑っていた真珠も、少しずつ自分の好みを口に出すようになり、店を出る頃には大量の紙袋を前に呆然としていた。
「ちょっと、買いすぎじゃ……」
「俺のも入ってるしな」
「あ、支払い……」
「財布は一緒だろ? 奥さん」
一瞬意味がわからなかったのか、真珠は目をぱちくりさせた後、思いだしたように頬を染めた。迅は苦笑をこぼしながら袋を受け取り、彼女の手を取って歩き出す。
「……今度はどこに行くの?」
「ついでに見たい店がこの近くにあるんだ」
大通りから脇道に入り小さな坂を上がると、奥まった場所にガラス張りの建物が現れた。
屋外にディスプレイされているアウトドア用のチェアやテーブルを横目に二階建て店舗の入口ドアをくぐる。

