こうやってただ恋人と手をつないで街中を歩くという行為さえ、彼女は自分に禁じてきた。友達も恋人も作らず、体の内に強い意思を秘めているくせに、ただ淡々と日常を送ってきた真珠。
それを思うと、迅はいてもたってもいられなくなる。
「いつも服はどうやって選んでたんだ?」
「外商担当の人が持ってきたもののなかから、妹が見繕ってくれていたわ」
「ショッピングに出かけることは?」
静かに首を振る彼女に、彼は息をつく。
「よし、今日は俺と一緒に好きな服を選ぼう」
「え」
真珠が好きそうなブランドのフラッグシップショップに半ば引きずるように連れ込んで、迅は上から下まで、ああでもないこうでもないと言いながら販売員を巻き込んでコーディネートをさせた。

