寝室の仕切りから、バスローブ姿の彼女がこわごわと顔を覗かせた。
「ごめんなさい。私……また寝ちゃった? みたいで……」
自分で状況を把握できていないらしい真珠に、迅はわざと意地悪な口調で答える。
「気を失ったんだよ。俺が激しくしすぎたせいで」
言った途端、彼女の頬が真っ赤に染まった。
ちょっとしたことですぐに反応する婚約者が愛しすぎて、迅は時々我を忘れそうになる。むくりと起き上がりかけた欲望を追いやって、彼はバスルームを指さした。
「シャワーを浴びておいで。朝食を食べたら出かけよう」
せっかくの休みなのに、家の中で布団に包まって過ごすだけではもったいない。……それはそれで至福の時間だが、これからいつでもできるのだから。
「出かけるって、どこに?」
不思議そうな顔をする真珠に、迅は含んだような笑みを見せた。
「デートだよ」

