政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています

 
 私を見て呆気に取られていた学生服姿の少年の顔を、ぼんやり思い出す。

 十五歳という多感な時期に十歳の子どもを許嫁と紹介されて、衝撃を受けていたのだろうと思っていた、彼の顔を。

 あれは、飛鳥井尋さんではなくて、今目の前にいる、本物の飛鳥井迅だった。

 あの頃よりもずっと大人になった彼は、少し言いにくそうに目を逸らした。

「正直に言うと、俺は自分がロリコンなんじゃないかってしばらく悩んだんだ。でも真珠以外には全然興味が湧かなかったから、違うって確信できた」

「まあつまり」と照れ隠しなのか後頭部を掻く仕草をして、迅は私を見下ろす。

「あのときから俺は君を忘れられなくて、さらにニューヨークで完全に虜になったわけだ」