政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています


 一瞬だけ、大切な思い出を汚されたような気がしたけれど、そうじゃないとすぐに思い直した。マンハッタンでのあのほんのわずかな時間は、彼にとってもきっと特別な出来事だったのだ。

「どうして……毎年パールを贈ってくれたの?」

 チェストにしまったままのジュエリーボックスを思い浮かべる。五粒をあしらったパールのブレスレットと、加工を加えられていない素のままのパール。それらは今年、合わせて二十五粒になった。

「そうだ。店に持っていかないとな」

「え……?」

「ちょうど、真珠の手首に合うはずだ」

 そう言ってつながったままの私の手を持ち上げ、サイズを計るように反対の手で手首を覆う。

「あの……」