「そもそも十年前のニューヨークで彼が連絡をくれたから、俺はセントラル・パークで君を見つけることができたんだよ」
自分の許嫁がアメリカに来ていると知って、迅はいてもたってもいられず、ケンブリッジから飛行機で一時間かけてニューヨークまで飛んだという。成長した許嫁をひと目見るためだけに。
そして私たち家族が滞在しているホテルに向かう途中で、伯父から、私が逃げ出したという連絡を受けた。
「……やっぱり、私のことを知っていたのね」
「なかなか運命的だっただろ? でも、あのデートは本当に予定外だった」
廊下の奥に目をやりながら、迅は懐かしそうに目もとを緩める。

