「真珠のためならってね。彼は彼なりに、君のことを心配してる」
「……信じられないわ」
私は視線を落とした。木枠のガラス窓から注ぐ穏やかな日の光が、廊下に影を落としている。
いつも笑った顔をしながら相手を値踏みして、強引なやり方で人を従わせようとする。そんな伯父が、私を心配しているなんて、とても思えない。
私の心を見透かしたように、迅は静かに言った。
「多少、力ずくな部分もあるかもしれないが、会社のことも、君のことも、彼は自分の子どものように大切に思っているよ」
「そう……かしら」
「宗一さんは、昔ながらの不器用な人間なんだ」
そう言って笑ってから、迅はそっと私の手をとった。

