政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています


 光沢を放つ磨き抜かれた廊下を、本物の婚約者と並んで歩いていく。みんなが食事をしている広間は、少し離れた場所にあるらしい。

 ワンピースに着替え、髪も下ろしてまとめてしまったけれど、途中退場したまま帰るわけにはいかない。今日の催しは、伯父がよく開くパーティーではなくて、私たちのためにとり行われた儀式なのだから。

 私の心を見抜いていたという仲人の顔を思い出して、ふと思った。

「それにしても、伯父さまはよく了承してくれましたね。婚約者の身代わりを立てること」

 歩きながら言うと、前を向いたままの迅の目が、ちらと私に注がれた。

「宗一さんは、最初から協力的だったよ」

「え……」