光沢を放つ磨き抜かれた廊下を、本物の婚約者と並んで歩いていく。みんなが食事をしている広間は、少し離れた場所にあるらしい。
ワンピースに着替え、髪も下ろしてまとめてしまったけれど、途中退場したまま帰るわけにはいかない。今日の催しは、伯父がよく開くパーティーではなくて、私たちのためにとり行われた儀式なのだから。
私の心を見抜いていたという仲人の顔を思い出して、ふと思った。
「それにしても、伯父さまはよく了承してくれましたね。婚約者の身代わりを立てること」
歩きながら言うと、前を向いたままの迅の目が、ちらと私に注がれた。
「宗一さんは、最初から協力的だったよ」
「え……」

