政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています


「し……してません!」

 顔を両手で隠しながら、私は叫んだ。

 自分がした行為を具体的な言葉でなぞられたような気がして、ひどく恥ずかしかった。穴があったら入りたい。

「……そうか」

 こころなしほっとしている様子で、彼は笑う。その笑顔が、どうしてかちくりと胸に刺さった。

 布団から体を起こしながら、私は長いまつ毛に覆われた漆黒の目を見上げた。

「迅は……子ども、ほしくないんですか」

 まだ結婚もしていないのに、何の話をしているんだろうと思いつつ、尋ねずにはいられなかった。

 彼はきょとんと目を瞬き、それからびっくりするくらい優しく微笑んだ。