「俺が宗一さんに素直に紹介されていたら、真珠は切なくて泣いたり、俺を想って眠れない夜を過ごしたり、っていう恋愛の醍醐味を、永遠に知らないままだったはずだ」
ちょっとにやにやしながら言われて、頬が燃え上がった。あまりの恥ずかしさに顔を両手で隠す。
そのまま布団に沈み込む勢いで背中を丸めた。
「……ひどい! 人の気持ちをもてあそんでいるのと、一緒じゃない」
「違う」
背中から、ふわりと抱きしめられた。私の髪をやさしく撫でて、耳もとに唇を寄せて、彼は芯の通った声で囁く。
「『喪失』の恐怖を知ってこそ、人は本当の愛の意味がわかるんだよ」
近づいたぬくもりに、とくとくと胸が音を立てる。

