なるべく顔に出さないように気をつけていたつもりなのに、私の感情はダダ漏れだったのだろうか。
これまでのいろいろな場面を思い出し、こみ上げた気まずさに唇を結んでいると、迅は小さく笑った。
「宗一さんは優秀な経営者だ。小娘の気持ちなんてお見通しだろうよ」
からかうように言ってから、真剣な顔つきに戻る。
「まあ、つまり、真珠は宗一さんに反発してるから、彼から紹介された婚約者を、たとえそれが誰であっても、心から受け入れることはないだろうと思ったわけだ」
それはそうかもしれないと思った。
相手がどんなに素敵な男性でも、例えばそれが鷹野迅その人だったとしても、誕生日を迎える前のあの日に伯父から紹介されていたら、私は冷めた目で見ていただろう。

