飛鳥井さんのセリフに、ぱちくりと目をまたたく。私は笑みを浮かべたまま、「ジン?」と繰り返した。
「ジンは、あなたですよね?」
私の視線を受け止めて、彼は一瞬だけ不思議そうな顔をした。それから思い出したようにふわふわと柔らかそうな髪を掻く。
「ああ……混乱してるよね。ごめんね真珠ちゃん」
椅子から立ちあがり、彼は畳の上をこちらにゆっくり歩いてきた。傍らまで来ると長い脚を開いてしゃがみ込む。
「俺はジンだけど、迅じゃないんだよ」
「……え?」
謎かけのようなことを言われて、ますます頭の中がこんがらがる。そんな私に苦笑を漏らし、飛鳥井さんは丸い大きな目を優しく細めた。

