政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています


「はい……すみません。緊張で貧血を起こしたみたいです。ええと……」

 心もとない衿もとを押さえるようにして周囲を見回すと、彼は察したように口にする。

「みんなは広間で祝宴を楽しんでるよ」

「そうですか」

 飛鳥井さんの普段と変わらない様子に、私は少しずつ冷静さを取り戻していった。

 きっと、夢でも見たのだ。

 ここのところ鷹野社長のことを考えすぎていたから、脳が私を慰めるために幻影を見せたのかもしれない。

 自分では吹っ切れたと思っていたけれど、心の奥では忘れていなくて、無意識のうちに思い詰めていた可能性もある。

「ていうか本当に大丈夫? 本当は救急車を呼ぼうとしたんだけど、ジンのやつが帯の締め付けと驚きが重なっただけだろっていうから」