格式のある格好に負けないほどの精悍な顔立ちに、いきなり相手の心臓をわしづかみにするような、迫力のある漆黒の瞳――。
「迅……?」
思わず声が漏れる。膝に置いた手が心臓の高鳴りに合わせて震える。
遅れてやってきた彼らは、迷うことなく各々の場所へと進んだ。
金屏風を背にした最も上座となる場所に伯父が、姉妹席にいる珠里の正面に飛鳥井さんが膝を折る。そして、私の正面の新郎用の場所に座ったのは、この場に最もいるべきではないはずの彼だった。
厳粛な空気を醸している鋭い瞳と、はじめて視線がぶつかる。
「――っ」
動揺している私をよそに、彼は顔色を変えない。

