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抜けるような青空が広がっていた。
磨き抜かれて艶を放つ長い廊下を案内されるまま進み、座敷にたどり着く。
奥には金屏風が配置され、中央に白木台に並べられた結納品が用意されている。先に来ていた相手方に小さく頭を下げ、父、母、そして妹とともに、決められた場所へ端座した。
厳粛な空気が漂う老舗料亭は、初代総理大臣の愛好により屋号を命名されたという。その最も由緒正しいとされる奥座敷で、今から結納の儀が執り行われる。
この日のために私に用意されていたのは、古典柄が映える淡い色合いのうつくしい振袖だ。
久しぶりの和装は、腰ひもや帯締めがきつく締められて少し苦しいけれど、身にまとうと背筋が伸びるし、やっぱり厳かな気持ちになる。

