「これは……?」
とっさに頭の中でカレンダーをめくる。
今日は休日じゃないわよね……?
ぽつんと立っていると、ピッと音がして背後のセキュリティドアが開いた。現れた男性に、ハッとして頭を下げる。
「おつかれさまです、戸上さん」
「……ああ、いらしてたんですか」
両腕に重そうなダンボールを抱えている社長秘書は、横目で私を見るとミーティングテーブルの上に荷物を置いた。口が開いたままのそこに詰め込まれていたのは、見覚えのあるファイルや書類の束だ。
「ちょうど、あなたが使っていた机を片づけていたところです」
「そう……ですか」

