私にとってはとても大切な、最初で最後の恋だったけれど、飛鳥グループとのつながりさえ盤石になるなら、伯父にとってはどうでもいいことだ。
尾を引きそうなこの気持ちを断ち切って、目の前にいる婚約者と結ばれれば、なにも問題にはならない。
「結納、もうすぐだね」
ふと見ると、飛鳥井さんはワイングラスを揺らして小さく微笑んでいた。
「宗一さんからの伝言だけど、年内で仕事は一区切りさせろってさ」
「え……?」
「年が明けたら有休を消化して、そのまま退職しろだって」
声が出なかった。
伯父から仕事を辞めろと言われることは覚悟していたけれど、あまりにも突然すぎる。

